最後までドタバタ劇

ルムッからのPlusliner社のバスは、クアラルンプール駅前の停留所を経由してTBSバスステーションに向かうことになっています。道路が渋滞気味なので、TBSバスステーションまでバスに乗るよりもクアラルンプール駅前の停留所で降り、クアラルンプール駅からKTMコミューターとKLIA Ekspresを乗り継いでKLIA2に向かう方が無難と考え、クアラルンプール駅前でバスを降りました。

クアラルンプール駅は、25年前に、宿が取れずに一晩明かした場所でもあるので、ある程度勝手が分かるはずだと思っていました。ところが・・・。

今ではクアラルンプールの中央駅はKL Sentral駅であり、クアラルンプール駅を利用する人は極めて少ないようです。そのため、駅の建物は目の前にあるものの、どこから入ったら良いのか分かりません。バスが着いたのは駅の西側で、裏側にあたるため、表側に回れば改札口が見つかると思い、表側に繋がっていると思われた地下道に入りました。ところが、地下道を出ても改札口が見つかりません。やむを得ないので、KTMに乗るのは諦め、LRTのPasar Seni駅を目指すことにしました。歩き出すと、何か変です?

駅の表側に出たものだと思っていたら、地下道を出たところも駅の裏側(西側)だったようです。なので、むしろPasar Seni駅とは逆の方向に歩いていたのでした。

こうなったら、戻ってKTMとかLRTとかに乗るよりも、このままKL Sentral駅まで歩いてしまった方が早そうです。時間がないので大急ぎでKL Sentral駅方面に歩きます。やがて「KL Sentral駅はこっち」という看板が見つかりました。これにて一安心。

・・・と思っていたのですが・・・。

KL Sentral駅のビルはすぐそこに見えているのですが、その間にある道路(高速道路)をどうやって渡ったら良いのかわかりません。しばらくウロウロすると、MRTのMuzium Negara駅の入口が見つかったので、そこから地下に降りました。Muzium Negara駅とKL Sentral駅は繋がっているはずなので、今度こそ一安心・・・かと思いきや、深夜なので一部の通路が既に閉まっていたのかも知れませんが、KL Sentral駅にはたどり着けません。結局、高速道路を横断し、KL Sentral駅側に出ることはできたものの、KL Sentral駅への入口は見つかりません。

いよいよ時間もやばくなってきました。

ウロウロ探すうちに、ビルの通用口のようなところに入ってしまいました。するとそこに、建設作業員の詰所のような小部屋があるのを見つけました。

不安でしたが、飛行機に乗り遅れるわけにはいきませんので、その中の人に声をかけ、「KL Sentral駅にはどうやって行ったら良いの?」と尋ねました。

すると、中から、「俺はポリスだ。駅に出る通路まで連れて行ってやろう。」と男性が1人出てきました。

警察管とは思えないので、「うさん臭いな~」と思いましたが、このまま飛行機に乗り遅れるわけにはいかないので、覚悟を決めてこの男性について行くことにしました。ビルの中の、従業員しか通らないであろう迷路のような通路をしばらく進み、「これはヤバイかも」と思っていた矢先、この男性はポケットからカギを取り出し、ドアを開けました。

すると、「こんなのがどこにあったの?」というような、広くて新しい(でも誰もいない)通路に出ました。

「ここをこっちに進めばすぐKL Sentral駅だ」と教えてくれ、この男性とはここで別れることになりました。思いっきり疑ってしまってゴメンナサイ。警察官ではなかったと思うのですが、ビルの警備員の方だったのかも知れません。それを、外国人にわかりやすく伝えるために、ちょっと大げさに「ポリス」と言ったのでしょうか?

 まあ、これで、今度こそ大丈夫です。やっとKL Sentral駅に到着しました。時刻は既に23:20です。

KLIA Ekspresは、通しで切符を買うよりも、途中駅でいったん改札を出て買いなおしたほうが安くなる(この場合、KLIA EkspresではなくKLIA Transitという名称の列車に乗ることなりますが)という、空港利用者からは高い運賃を取ってやろうという魂胆が見え見えの交通機関です。なので、時間に余裕があれば、KLIA Transitに乗って途中駅でいったん降りようと思っていたのですが、もうそんなことをやっている場合ではありません。かと言って、所定料金(大人1人55リンギット!)を払うのも悔しいところです。

どうやら、自動券売機でクレジットカード決済で切符を購入すると、多少の割引があるようなので、クレジット決済で切符を購入しました。

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KLIA Ekspresの切符

大人が1人49.5リンギット、子供が1人22.5リンギットになっています。つまり10%の割引です。割引があるのはうれしいけれど、それでも4人合わせて171リンギット(決済時レートで4,827円)・・・。物価の安いマレーシアでこの値段は・・・。一度は乗ってみたかったので今回は乗りましたが、次回また来ることがあれば、他の手段(バスかタクシー)を使ってしまうと思います。

QRコードを改札機にかざして駅に入りますが、誰もいません。列車は既に到着しており、乗り込みましたが車内にも誰もいません。ん?、もしや貸し切り状態か?

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KLIA Ekspresの車内

6両編成の車内をぶらぶら歩いてみましたが、本当にうちの家族4人だけで貸し切りでした(KLIAからKLIA2までの区間では何人か乗り込んで来られましたが)。こんな遅い時間(23:40発)にKLIAに向かう人はあまりいないようです。 

値段が高いだけあって、車内は快適ですし、速度も速いです(KLIA2まで32分)。新幹線ほどのスピードではありませんが、新快速よりは早いと感じましたので、時速は150~160キロぐらいでしょうか?

KLIA2には時間通り0:12に到着しました。飛行機には間に合うと思いますが、まだ晩ご飯を食べていません。また、みやげ物も買えていません。まずは大急ぎでみやげ物を買い(地球の歩き方にも載っていた、“LOT 100”というマンゴーのグミを購入しました。美味しくて数もたくさんあるので、バラマキ土産として最適でした。おススメです)、その後、出国審査などを済ませます。余裕があれば、金正男事件の現場などをじっくり確認しようと思っていたのですが・・・。

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金正男の現場付近?

セキュリティチェックでは、ほぼ何のチェックもされませんでした。「こんなんで大丈夫か?」と思いながら、搭乗口があるサテライトのほうに向かいます。サテライトには何件かレストランがありますが、時間が時間なので、空いている店はほとんどありません。麵の店があったので、ミーゴレンとビールを頼もうと思ったのですが、「もう汁物の麺しか出せない」と言われ断念。ビールも諦め、ラクサ風のラーメンを食べることにしました。

空港内なので仕方ありませんが、費用対効果の観点で、満足度は屋台に遠く及びません・・・。とりあえず、腹を満たせただけでも良しと考えることにします。

で、いよいよ搭乗口に向かいますが、何とここで長い列が!。

出国検査の際のセキュリティチェックがテキトーだったのは、ここでちゃんとしたチェックをするからだったのですね。おそらくここで並んでいる人たちの大半も同じ便に乗る人達なのでしょうから、置いて行かれることはないだろうと思いつつも、時間が迫ってきていたのでやはり少々焦りました。

セキュリティチェックを通り抜け、搭乗口に着いた時には、ちょうど搭乗が始まったところでした。

ちなみに、帰りの便も座席の指定はしませんでしたが、飛行機の最後方(後ろから4列目と5列目)の、通路を挟んだ両側の席となりました。帰りは機内食等を何も頼んでいないので別にバラバラの席でも良かったのですが。座席指定しないと無理やりバラバラの席にされる訳では無いようです(行きの席がバラバラになったのは別に嫌がらせではなかったのでしょうか?)。

これで、マレーシアとはお別れです。最終日には色々とヤキモキさせられ寿命が縮む思いをしましたが、そういう経験も含め、やはり海外旅行は楽しかったです。子供たちにも良い経験をさせられたと思いますし、子供たちも十分楽めたと思います。

マレーシアには、エジプトのピラミッドや中国の万里の長城などのような“超目玉級の観光地”があるわけではありません(と思います)。しかし、「日本人が住みたい国」ナンバー1の座を10年以上もキープしている国だけあって、普通に食事したり、街をさまよったり、滞在していて楽しい国です。お子さんが幼いうちは、より安全・快適なシンガポールとかグアムとかのほうが良いかもしれませんが、小学校高学年以上になれば、それらの国々よりは多少刺激的な(でもインドや中南米などに比べればはるかに安全・快適な)マレーシアでも十分楽しめるのではないでしょうか?

家族旅行の行先として、マレーシアを検討してくれる人が増えたら嬉しいです。